カーリースは初期費用を抑えられ、気軽に車を利用できる魅力的なサービスです。しかし、契約後に「思ったよりも費用が高くついた」「自由に車を使えない」と後悔するケースも少なくないため、仕組みを理解しておく必要があります。
本記事では、カーリースで後悔する主な理由や向いている人、向いていない人の特徴をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
カーリースとは?
カーリースは、契約者が希望する車を一定期間借りられるサービスです。リース会社は、契約者が選んだ車を自動車ディーラーから購入し、契約者は毎月決まった料金を支払うと、その車を自分の車のように利用できます。
また、リース料金には車検費用や税金なども含まれているため、突発的な出費が少なく、家計の管理がしやすい点が魅力です。契約期間が終わると、車は原則としてリース会社に返却しますが、契約内容によってはそのまま車を購入するオプションがつく場合もあります。
カーリースで後悔する主な理由は7つ
次は、カーリースで後悔する主な理由について解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.車を購入するよりも割高になる
カーリースは、手頃な月額料金と定額払いが魅力ですが、契約期間全体の支払い総額が新車購入費用を超えるケースも少なくありません。さらに、契約終了後に車を返却する点から「購入した方が得」と考える人もいます。
しかし、カーリースの月額料金には税金や車検、定期的なメンテナンス費用が含まれているため、急な出費を抑えながら車を維持できるメリットがあります。また、頭金が不要である点も特徴です。購入とは異なる仕組みですが、経済的な計画を立てやすい点がカーリースの強みです。
2.車のカスタマイズを自由にできない
カーリースでは、車の所有権がリース会社にあるため、契約中は車両の価値を保つためのルールが設けられています。基本的に、契約終了時には車を貸出時と同じ状態で返却する必要があります。このため、ボディの塗装変更や車内への大幅な加工など、原状回復が難しいカスタムは認められません。
しかし、原状回復が容易なカーナビ設置やタイヤ交換などの軽度なカスタムであれば許可される場合もあります。契約条件を確認しないまま無断でカスタムすると、修復費用や損害金が発生するため、注意が必要です。
3.契約終了時に残価精算の可能性がある
カーリースには「オープンエンド」と「クローズドエンド」の2種類の契約方式があり、それぞれ特徴が異なります。オープンエンド契約では、契約時に設定した残価と返却時の車の市場価値を比較し、残価を下回った場合は差額の精算が必要です。
一方、クローズドエンド契約では残価精算が不要で、契約満了時のリスクがない代わりに、月々のリース料がやや高めになります。リース料を抑えたい場合は、オープンエンドが魅力ですが、返却時に精算金が発生する可能性がある点に注意しなければなりません。
4.走行距離制限に違反すると超過料金が発生する
カーリースでは契約時に車両の価値を維持するため、走行距離に制限が設けられています。制限は月間または年間単位で設定され、契約満了時に車を返却する際、走行距離が上限を超えていると超過料金が発生します。
たとえば、月間1,000kmの制限がある場合、契約期間内でその範囲を超えないように注意が必要です。長距離ドライブや頻繁な利用が見込まれる場合は制限が負担に感じる場合もありますが、走行距離に応じて契約プランを柔軟に選べる点は利便性が高いといえます。
5.返却する際に原状回復費用が発生する
「原状回復」とは、車を契約時の状態に近い形で返却することを意味しており、車体の損傷や内装のよごれがある場合、修復費用が請求される場合があります。たとえば、事故によるキズや大きなよごれ、内装の改造などは費用発生の要因です。
一方、簡単に取り外しができるアクセサリー類や、通常の使用範囲内の消耗であれば問題にはなりません。契約期間が長くなると劣化のリスクも高まるため、日頃のメンテナンスが大切です。
6.中途解約ができないプランもある
カーリースでは、契約内容の変更や中途解約は原則として認められていません。契約は、リース会社が契約者の希望にもとづいて車を購入し、契約期間に応じたコストを計算して成り立つためです。
このため、途中解約を希望する場合は、残りのリース料総額をもとに算出される解約金を一括で支払う必要があります。また、災害や事故などで車が全損となった場合も例外ではなく、解約金が発生する仕組みです。このような規約を理解して、契約前に慎重に検討しなければなりません。
7.全損事故や盗難時に多額の解約金が発生する
カーリースでは、交通事故による全損や盗難による車両の消失が発生した場合、契約対象の車が利用不可能となるため、その時点で契約が強制的に解約されます。
この場合、リース会社が所有する車を失ったと見なされるため、契約者には残りのリース料総額と車両の残価を合算した解約金が請求されます。
これにより、多額の支払いが発生する可能性があるため、万が一に備えて保険の内容を確認しておきましょう。契約時にこのようなリスクを理解して、適切なプランを選ぶ必要があります。
なお、カーリースの違約金が払えない場合の対処法については、こちらの記事で解説しています。
カーリースに向いている人の特徴は3つ
次は、カーリースに向いている人の特徴について解説します。
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それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.初期費用を抑えたい
カーリースの契約時に必要となるのは、基本的に住民票の書類取得費用だけで、初回車検費用や登録費用、各種税金などはすべて月々のリース料金に含まれています。このため、まとまった資金がなくても気軽に車の利用が可能です。
「急に車が必要になった」「一時的に車を使いたい」といったニーズにも対応できるため、購入と比較して手軽さが際立ちます。また、車両代金以外の諸費用を気にする必要がないため、家計管理がしやすい点もメリットです。
2.車の維持や管理を楽にしたい
カーリースの魅力のひとつは、月々の支払いに車両維持費がすべて含まれている点です。車検費用や税金、定期的なメンテナンス費用がカバーされるため、予想外の出費がなく、家計を管理しやすくなります。支払いも定額制のため、燃料費と駐車場代以外のコストを気にする必要がありません。
また、カーリースは事業用にも最適で、リース料金をそのまま経費として計上できるため、経理処理が簡単になります。このため、突然の修理費や税金の支払いに頭を悩ませる必要はありません。
3.定期的に車を乗り換えたい
カーリースの契約期間は3~5年程度が主流で、車検のタイミングに合わせて設定される場合が多く、短期間でも利用しやすい仕組みになっています。さらに、「残価設定」の仕組みによって月々のリース料を抑えられるため、購入と比較して初期費用や月額負担が軽減されるケースもあります。
また、契約満了後には新しい車への乗り換えがスムーズにできるため、「新型車に乗りたい」「気分を変えたい」といったニーズにも対応可能です。購入とは異なり、車を売却する手間が省け、費用面でも計画が立てやすい点がカーリースのメリットです。
カーリースに向いていない人の特徴は3つ
次は、カーリースに向いていない人の特徴について解説します。
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それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.支払い総額を安くしたい
カーリースは車を購入する場合と比べると、総支払額が高くなる傾向があります。その理由は、リース料金には車両本体価格に加えて、車検費用や税金、メンテナンス費用などの維持費が含まれているためです。
購入時には車両代金のみを分割で支払い、車検や税金は都度まとめて支払う必要がありますが、カーリースではそれらの費用が月々の定額料金に組み込まれています。このため、急な出費を避けながら車を維持できますが、トータルのコストは高くなる場合が多いです。
2.車の所有権を自分にしたい
カーリースは契約中、車の所有権がリース会社にあるため、利用者はあくまで「借りている」状態です。このため、契約期間内に車を売却したり譲渡したりできず、契約上の制約が発生します。
一方、自動車ローンで車を購入した場合、所有権は購入者本人にあるため、ローンの返済途中であっても車の売却や譲渡が可能です。このように、車の自由な管理を希望する人にとっては、ローン購入の方が柔軟性が高いといえます。
カーリースは所有権がリース会社にある分、制約が多いため、所有感を重視する人には不向きです。
3.借金でブラックリスト入りしている
信用情報に問題がある場合、カーリースの審査を通過するのは難しいとされています。このため、確実に車を手に入れる方法としては、安価な中古車を現金で購入する方が手っ取り早い場合もあります。
しかし、まとまった資金をすぐに用意するのは難しく、選べる車の状態が限られるケースも少なくありません。一方、一部のリース会社では自社独自の審査を行っている場合があり、信用情報ではなく、現在の収入や支払い能力を重視する仕組みを取っています。
このため、過去に金融トラブルがあった方でも審査に通る可能性があります。車の購入を検討する前に、自社審査を導入しているリース会社を利用する選択肢も検討しましょう。
なお、ブラックリストに載ってもローンに通るのかについては、こちらの記事で解説しています。
カーリース後悔でよくある3つの質問
最後に、カーリース後悔でよくある質問について紹介します。
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それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.カーリースを利用する際の注意点は?
カーリース契約中に事故が起きて車の修理が必要な場合、通常のリース料金には修理費用は含まれていません。過失割合によっては契約者の自己負担になる場合が多く、任意保険を利用する際も補償内容に限度があるため注意が必要です。
さらに、車が全損となった場合は契約が強制終了して、残りのリース料金や残価分を含む違約金が請求される場合があります。また、カーリースを利用する際には審査があり、年収や勤続年数、債務履歴などが重要な審査基準です。
リース会社ごとに基準が異なるため、過去に借入履歴がある方や収入が不安定な方は事前に確認しておきましょう。
質問2.カーリース契約では連帯保証人は必須なの?
カーリースの契約では、毎月のリース料金を安定して支払える収入があれば、連帯保証人が不要となるのが一般的です。しかし、過去の返済遅延や借入履歴がある場合や、収入が不安定だと判断される場合には、連帯保証人を立てることで審査に通過しやすくなるケースがあります。
審査基準はリース会社によって異なるため、個人の状況に応じて事前に相談しましょう。自分の信用情報や収入状況に不安がある場合は、早めに確認し、必要に応じて連帯保証人の準備を進めるのがおすすめです。
質問3.自社ローンとカーリースどちらがいいの?
「カーリース」と「自社ローン」はそれぞれ異なる特徴があり、向いている人も違います。カーリースは、所有権にこだわらず新車に乗りたい人に適しています。月額料金には税金やメンテナンス費用が含まれており、初期費用が不要なため、少ない資金で気軽に新車を利用できる点が魅力です。
一方、自社ローンは車を確実に手に入れたい人に向いています。ローンを完済すれば車の所有権が自分のものになるため、返却の必要がありません。
さらに、審査が比較的通りやすく、短期間で納車されるケースが多いため、急ぎで車を手に入れたい方にもおすすめです。自社ローンは主に中古車が対象となるため、費用を抑えて車を購入したい方に適しています。
まとめ
本記事では、カーリースで後悔する主な理由や向いている人、向いていない人の特徴をご紹介しました。
カーリースは、契約者が希望する車を一定期間借りられるサービスです。リース会社は、契約者が選んだ車を自動車ディーラーから購入して、契約者は毎月決まった料金を支払えば、その車を自分の車のように利用できます。
しかし、車の購入より割高になるケースが多く、自由にカスタマイズすることができません。また、契約終了時の残価精算が必要な可能性もあります。さらに、走行距離制限の超過料金や、返却時の原状回復費用が必要になり、中途解約が難しいプランや全損事故時の解約金もリスクです。
一方で、初期費用を抑えて、維持管理を楽にしたい、定期的に新しい車に乗りたい人には向いています。反対に、総額を安く抑えて、車を所有したい、信用情報に問題がある人には不向きです。
自分のニーズに合った選択をするためには、契約内容を十分に理解して、慎重に検討する必要があります。
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