きつい経済状況の中で車のローンを返済していると、未来の予期せぬ出費や変動があったとき、返済できないといった手遅れになるリスクが考えられます。しかし、できれば車を手放さずに、負担を軽減する方法を探したい方もいるでしょう。
本記事では、車のローンがきついと感じた際の具体的な対処法、ローンの借り換えのメリットやデメリットを詳しく解説します。現在困難な状況にある方や、今後車の購入を計画している方は、ぜひ参考にしてみてください。
車のローンがきついと感じた際の対処法は5つ
車のローンがきついと感じたときは、放置せずにできるだけ早急に対処しましょう。主な対処法は次の5つです。
|
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.月々の収支を見直してみる
車のローン返済が厳しく感じるとき、まずは月々の収支の見直しをしましょう。特に固定費の見直しは、即座に効果を期待できる部分です。
携帯電話の料金プランを格安スマホに変更する、利用頻度の低いサブスクリプションサービスを解約する、或いは任意保険のプランを再評価することで、不要な出費を削減し、その浮いた資金をローン返済に充てることができます。さらに、日々の食費や日用品の出費を把握し、節約の余地がないかを探ることも重要です。
2.車を売却して残債を整理する
ローンの返済がきついときは、車の売却も選択肢の一つです。
ローン残高を上回る価格での売却が実現すれば、月々の支払いが完全になくなり、家計に余裕が生まれます。一方、売却価格がローン残高を下回る場合でも、その差額によっては支払いの総額が大幅に減少し、完済までの期間も短縮されるでしょう。
売却後の移動手段としては、徒歩、自転車、公共交通機関の利用が考えられます。また、売却後に車が必要となった場合、月々の支払いが少ないカーリースを検討するのもおすすめです。
3.支払いスケジュールを見直す
将来的に収入が回復する見込みがある場合、カーローンを組んでいる金融機関に相談するとよいでしょう。返済状況や理由を伝えることで、支払いスケジュールの見直しや猶予を受けられる可能性があります。
4.そもそも収入を増やす
月々の収支の見直しとともに、収入を増やす手段を模索することも大切です。たとえば、車のローンが月3万円の場合、同額の収入増加により家計の負担は軽減されます。
収入を増やす方法として以下の3つの手法が考えられます。
|
現代はネットの普及に伴いさまざまな副業があり、手軽に収入を得る方法が増えています。すぐにお金を必要とする場合は、フードデリバリーのような短期で報酬が得られるものがおすすめです。
一方、転職や昇進は即座には難しいかもしれませんが、求める収入との格差がある場合、視野に入れることが重要です。
5.ローンの借り換えを検討する
月々の返済額や支払総額を見直したい場合、ローンの借り換えが一つの選択肢として考えられます。
借り換えの最大のメリットは、現在のローンよりも低金利のものに乗り換えることができ、返済期間を延長することで月々の返済額を軽減できる可能性が高まる点です。さらに、金利の変更により、長期的な支払総額も低減することが期待できます。
しかしながら、この選択には潜在的なリスクも伴います。借り換えを頻繁に行うことで、結果的に総支払額が増加する可能性があります。また、借金を繰り返すことが常態化し、より返済が難しくなってしまう状況も考えなければなりません。
最悪の場合、追加の借金の手段が尽き、自己破産や闇金の取り立てのリスクに直面するケースもあります。ローンの借り換えを検討する際は、しっかりと計画を立て、短絡的な決断を避けるよう心がけましょう。
車のローンがきつい場合にローンの借り換えをする4つのメリット
つづいて、車のローンがきつい場合にローンの借り換えをするメリットを4つ紹介します。
|
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.1ヵ月あたりの返済額を減らせる
ローンを借り換えることにより、返済のスパンを長く設定することができます。同じ借入額であっても、返済期間を伸ばすことで毎月の返済額を減少させることができ、日常の経済的負担を軽くすることが可能です。
ただし、返済期間を長くすることで、毎月の支払い額を減少させることはできますが、総返済額は増加する点を念頭に置く必要があります。
2.金利の見直しを図れる
ローンの借り換え時、金利の見直しによって返済額を減少させることができるのもメリットのひとつです。
たとえば、現在金利5%のマイカーローンを、その金利より低い銀行系ローンに切り替えることで、金利の差分を節約できる可能性があります。借入額が高くなりやすい車のローンは、金利の差による返済額への影響は大きいでしょう。
ただ、借り換え時の手数料や諸経費も存在するため、全体の支払総額を確認してから決定することが重要です。また、金利だけでなく、返済期間も合わせて検討するとより効果的な見直しとなります。
3.残債がある場合でも申し込みできる
残債がある場合でも、ローンの借り換えを申し込むことは可能です。新しいローンを組むことで、現在の残債を返済することができます。残債の額が大きな場合、借り換えによる影響も増大します。
もっとも、ローンの申し込みには一定の審査が行われるため、すべての方が必ずしも承認されるわけではありません。しかし、安定した年収や良好な信用情報がある場合、審査を通過するチャンスは高まります。
4.車を手放す必要がない
車のローン返済が困難になると、車の差し押さえや売却のリスクが生じます。しかし、ローンの借り換えを活用することで、毎月の返済額を無理なく調整可能です。
返済額を適切な範囲に抑えることで、車を所有し続けることができ、リスクを回避することが期待できます。
車のローンがきつい場合にローンの借り換えをする4つのデメリット
ローンの借り換えをするメリットが理解できたところで、次はローンの借り換えによるデメリットを3つ紹介します。
|
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.借り換えには手数料が発生する
ローンの借り換えには、さまざまな手数料が発生します。具体的な費用目安は次の通りです。
手数料の種類 | 金額の目安 |
印紙代 | 借入額100万~500万円の場合:2,000円 借入額500万~100万円の場合:10,000円 |
保証料 | 借入額の1~2% |
事務手数料 | 3,000円~5,000円 |
繰り上げ返済手数料 | 5,000円~30,000円 |
振込手数料 | 数百円 |
返済の困難さから借り換えを検討している場合、これらの手数料を支払うことが難しい状況になることも考えられます。そのため、借り換えの計画を立てる際は、手数料を含めた総支払額をきちんと確認した上で検討しましょう。
2.総支払額は大きくなる
借り換えにより、返済期間を延ばして月々の返済額を減少させる方法はメリットである反面、デメリットも潜んでいます。
返済期間を伸ばすことは、総支払額の増加を意味します。この増加は、返済期間の延長による利息の蓄積が原因です。さらに、手数料分の損失もあります。
総支払額が増えたことが気になる場合は、月々の収支を見直したり、収入を増やしたりなど、上記で述べた対処法を実践しましょう。
3.借り換えにも審査が必要になる
車のローンを借り換える際、新しいローンを申し込むのと同じ手続き、すなわち審査が待ち構えています。この審査には、本人確認のための書類やローン対象車の情報、既存ローンの状況に関する書類などの提出が要求されます。
各ローン提供者は独自の審査基準を持っています。たとえば、銀行系のローンは、他のローンより低い金利を設定している代わりに、審査基準が厳格です。年収や勤務年数などの条件が設けられており、審査をクリアするのに多少の手間が伴うこともあります。
一方、ディーラーローンの審査は比較的緩やかで、銀行系ローンよりも通過しやすいものの、金利が高めに設定されています。ただし、銀行系の審査と比較して手間や時間は少なく済む場合が多いです。
車のローンにおける借り換え審査に落ちないための3つのコツ
ここでは、車のローンにおける借り換え審査に落ちないためのコツを紹介します。主に次の3つです。
|
1.転職をしない
借り換え審査をスムーズに通過するためのコツの一つとして、安定した職場での勤務が挙げられます。
審査の際、勤続年数を重視されることが多く、勤務期間が短いと収入の安定性に疑念を抱かれる可能性が高まります。安定した収入源を示すためにも、頻繁な転職は避けることを推奨します。
2.返済の滞納をしない
ローンの支払いが遅れると、信用情報機関に登録され、後のローン審査にマイナスの影響を及ぼします。支払いが難しいと感じるときであっても、滞納は避け、信用情報に傷をつけないようにしましょう。
3.複数の金融機関に申し込まない
一度に複数の金融機関への申し込みは避けましょう。審査時に他の金融機関からの借入状況も詳細にチェックされるため、多くの申し込みは審査の障壁となる可能性があります。
最良の結果を得るために、他の金融機関のローンや借入れがない状態での申し込みがコツです。
なお、次のページでは、車のローン審査シミュレーションを利用するメリットや審査に必要な項目について紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
車のローンがきついでよくある3つの質問
車のローンがきついときによくある質問は、次の3つです。
|
詳しく解説します。
質問1.車のローンがきついと感じている人の割合は?
「おトクにマイカー 定額カルモくん」が実施したアンケートの結果では、カーローンやカーリースを利用している人の中で、月々の返済が負担と感じる人は53.7%でした。カーローンやリースは車の一括購入が難しい場合の救済策として有効ですが、その後、長期間にわたり家計への重荷として残るリスクが指摘されています。
質問2.400万円の新車を購入した場合の月々の支払い目安は?
400万円の新車購入における月々の返済目安額を、価格COMの「マイカーローン返済額シミュレーション」を用いて計算してみました。
以下は、銀行系ローンを年利2%、ボーナス払いや頭金を0円として計算した結果です。
年数 | 3年 | 5年 | 7年 | 10年 |
月々の支払い | 114,571円 | 70,112円 | 51,070円 | 36,806円 |
総支払額 | 4,124,556円 | 4,206,720円 | 4,289,880円 | 4,416,720円 |
上記の計算は、最も低金利の銀行系ローンを基にしたシミュレーションですが、借入先によって金利は異なります。月々の負担と総返済額のバランスを理解した上で、ローンを検討しましょう。
質問3.自社ローンの審査基準とは?
一般的な自動車ローンの審査は、借入状況や過去の取引履歴などから判断されます。一方、自社ローンは販売店が独自の審査基準で判断するため、過去の信用情報が影響せず、審査に通りやすいといったメリットがあります。
次のページにて、自社ローンの概要をより詳しく解説しています。利用するメリット・デメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ここまで、車のローンがきついと感じた際の対処法や、借り換えのメリット・デメリットを解説しました。
ローンの返済が困難に感じる場合、借り換えを検討することで月々の返済額を軽減することができます。実際、借り換え先での支払いが滞らなければ、車を持ち続けることは問題ありません。
しかし、借り換えの際の手数料や総支払額を考慮すると、一部の方にとっては負担が大きく感じられる場合があります。もし支払いに困難を感じるようであれば、早めの対応が必要です。
特に多重債務や自己破産のリスクは、人生全体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、状況に合わせた最善の選択をし、必要な場合には専門家の助言を求めましょう。
Comments